コラム

【第7回】講師に求められるスキル(2)-洞察力

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こんにちは。企業研修の講師派遣・講師育成を行っている、エス・エー・エス株式会社です。
このコラムでは、研修講師を志望している皆さんや企業研修を検討している担当者の方に向けて、当社の「PlusOne研修」に込められた想いをお伝えしています。

前回から、講師として活躍したいと考えている方にぜひ読んでいただきたい、当社の考える「講師に求められるスキル」をテーマに、コラムを連載しています。

前回は講師にとって欠かせない「伝える力」についてお伝えしましたが、今回はそれと同等に重要なスキルとして「洞察力」を取り上げます。「伝える力」と「洞察力」は相互補完的なものですので、ぜひ前回のコラムとあわせてお読みください。

「観察」と「洞察」は一連のプロセス

よく言われることですが、「観察力」と「洞察力」は異なります。ただし、まったく異なるものかと聞かれれば、そうではありません。「観察力」は物事の様子を即座に把握し、わずかな変化にも気がつける注意深さのこと。日常生活においても、「あの人は髪を切った」、「あそこに新しいお店ができた」など、どんなに小さなことでもよく気がつく人はいますよね。こういった人には「観察力」が備わっているといえます。

一方で「洞察力」は、物事を「観察」した結果、それが何を意味するのかを考えられる能力のことです。つまり、物事の表面だけでなく、本質的な部分にまで目を向けられるということ。先ほど挙げた例でいえば、「髪を切った」という状態の背景にあるのが「毛先が痛んでいることを気にしていた」からなのか、「失恋による気分転換」なのかを限られた情報から推測できる人は、「洞察力」に長けているといえるでしょう。

観察から洞察へ、これは一連のプロセスであり、講師に欠かせないスキルなのです。では、なぜ「洞察力」が講師に欠かせないものなのでしょうか?

主観を排除して相手の心理状態を考える

前回のコラムで、「研修は相手ありきのコミュニケーション」であるとご説明しました。双方間のコミュニケーションである以上、講師は受講生の存在を無視することはできません。常に受講生がどれくらい理解できているかを意識する必要があります。講師の伝えたいことが受講生にきちんと伝わり、理解できるようになるために講師がすべきことは、何なのでしょうか。

まずは過信や思い込みをなくしましょう。講師としての経験が長くなるほど、「こう伝えれば絶対に伝わる」といった主観的な思い込みが生まれがちです。しかし、時にはその方法論でまったく理解ができない受講生もいるでしょう。その可能性を想定したうえで、受講生が本当に理解しているかどうかを見抜けるスキルが「洞察力」なのです。

講師は受講生のちょっとした動作や表情、集中の度合いなどを見逃すことなく「観察」し、受講生が今どんな心理状態にあるかを「洞察」します。それらをリアルタイムに行いながら、その場で研修の内容に反映させていくことで、受講生の理解度は格段にアップしていきます。

もちろん一朝一夕で身につく能力ではありませんが、講師として第一線で活躍するためには絶対に欠かせないものです。ただの「話し上手な人」で終わらないよう、伝える力とセットで洞察力を磨いていきましょう。

今回のコラムは以上です。ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
次回のテーマは「講師に求められるスキル-人を育てる喜び」です。どうぞお楽しみに。

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