コラム

【第12回】講師に求められるスキル(7)-相手の立場で思考できる力

相手の立場で思考できる力

こんにちは。企業研修の講師派遣・講師育成を行っている、エス・エー・エス株式会社です。このコラムでは、研修講師を志望している皆さんや企業研修を検討している担当者の方に向けて、当社の「PlusOne研修」に込められた想いをお伝えしています。

今回は、当社の考える「講師に求められるスキル」というテーマから、「相手の立場で思考できる力」について、ご説明しましょう。

講師は“講演者”にあらず!

講師は、大勢の受講生のまえに登壇して研修をする仕事です。その様子は一見、講演者のようにも見えるでしょう。実際に講師として活躍している人のなかには、こういった“講演者”タイプの人も少なくありません。

しかし、残念ながら講演者タイプの講師では、本当の意味で人材を育成することは難しいと考えます。講演者タイプの講師の難点は、ずばり一方的なコミュニケーションであること。つまり、受講生の理解と次の一手を考える力を引き出せないのです。いくら話の内容が素晴らしいものであっても、受講生がそれを自分ごととしてとらえて理解し、自分のスキルアップに活かす道筋まで思い描くことができなければ、「なんとなくすごそうな話が聞けたな」といった程度の印象で終わってしまいます。

マルチな視点からの思考プロセスこそ、プロ講師の真髄

このような事態が起こるかどうかは、講師が常に相手の立場で思考できているかどうかにかかっています。この場合の「相手」とは、何も受講生だけではありません。そもそも研修のクライアントである企業側の要望まで考えておく必要があります。つまり、講師は同時にたくさんの視点を持たなくてはならないため、柔軟な頭の回転や視点の切り替えが大切なのです。

クライアント、受講生いずれにとってもパーフェクトな研修を行うことは簡単ではありません。とくに経験の浅い講師だと、どうしても自分自身がうまく伝えられたかだけに意識が向かいがちですが、本物のプロフェッショナルになるにはそこから一歩踏み込んで、「クライアントの要望を満たせる内容になっているか」「受講生の成長につながる気づきを与えられているか」まで、考えを巡らせなくてはなりません。つまり講師は、クライアント企業や受講生の未来を担っているという事実を常に自覚することが大切なのです。こうした複数の立場に則した思考プロセスを鍛えることができれば、価値の高い講師といえるでしょう。

今回のコラムは以上です。ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
次回のテーマは「講師に求められるスキル-企画力」です。どうぞお楽しみに。

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