【第14回】講師に求められるスキル(9)-ロジカルシンキング
こんにちは。企業研修の講師派遣・講師育成を行っている、エス・エー・エス株式会社です。このコラムでは、研修講師を志望している皆さんや企業研修を検討している担当者の方に向けて、当社の「PlusOne研修」に込められた想いをお伝えしています。
今回は、当社の考える「講師に求められるスキル」というテーマから、「ロジカルシンキング」について詳しくお話していきましょう。
ロジカルシンキングを制する講師は企業研修を制する
ビジネスパーソンにとって不可欠なスキルと言っても過言ではないのが「ロジカルシンキング」。ビジネスシーンではプライベートな会話と異なり、感情論だけではどうにもならない場面が多くあります。とくに商談などの交渉ごとにおいては、筋の通ったわかりやすい説明で取引先を納得させることができなければビジネスは成立しません。
これは、多くの受講生に説得力のある研修を提供する講師にとっても同じこと。むしろ講師は、一般のビジネスパーソン以上にロジカルシンキングが求められる職種とも言えるでしょう。自分の頭の中で整理されていないことは、相手にも正確に伝わりません。受講生の理解度を高めるためにも、講師にとってロジカルシンキングの能力は欠かせない“商売道具”なのです。
仮説なき企業研修ではゴールにたどり着けない
一般的にロジカルシンキングの基本として、「MECE(ミーシー)」や「ピラミッドツリー」といった考え方がよく知られています。これらは巷にあふれる多くのビジネス書で解説されているため、ここでは詳しく言及しませんが、もちろんこれらの考え方は講師のスキルの前提として重要です。しかし、それ以上に講師がロジカルシンキングを実践するにあたって忘れてはならないのは、「仮説を立てること」でしょう。
仮説の組み立ては、研修の企画から当日まで一貫して役立つスキルです。たとえば、研修を企画するとき、「受講生の行動を確実に変えるには、業務フローに準じた知識の習得が効果的である」という仮説を立てるとします。その仮説に基づき、「現在の業務フローでミスが起こりやすいのはどこか?」「受講生がわかったつもりにならない研修内容にするためには、どんな工夫が必要か?」といった観点から企画を進めていけば、より精度の高い研修になるはずです。
いわば仮説はロジカルシンキングの軸となるもの。「AはBだ」という仮説を起点に思考を展開させていくことで、研修内容が最終的なゴール=クライアントのニーズに向けて脱線することなく、かつ受講生にも理論的に伝えることができるようになるのです。
また、もし当初の仮説に誤差が生じたとしたら、即座に修正する必要があります。仮説はあくまで仮説。仮説に縛られるあまり、受講生の現状から遠ざかっていくような研修は本末転倒です。状況によって柔軟に軌道修正できる能力も、リアルタイムで研修を行う講師にとっては欠かせません。そもそも研修とは、クライアント企業の成長を人材育成の面からサポートするために行うものです。そのことを肝に銘じて、ロジカルシンキングのスキルを高めていきましょう!
今回のコラムは以上です。ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
次回のテーマは「講師に求められるスキル-高い専門知識」です。どうぞお楽しみに。
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