コラム

PlusOne研修で活躍中の講師に迫る!|片岡美智代講師

片岡講師

現在、どんな研修を担当していますか?

主にJavaプログラミング講座やMicrosoft Office講座を担当しており、ネットワーク構築運用などの講座を受け持つこともあります。今年から新境地としてVB(Visual Basic).NETの講義にも挑戦しています。

講師になるまでの経歴を教えてください。

もともと販売職や事務職、営業職などを10年ほど経験し、その後Microsoft Officeの講師に転身しました。そこで講師としてのキャリアをスタートしましたが、Office講師だけでは今後、先細りしていくかもしれないという危機感から、Javaプログラミングやネットワークの勉強を始めたんです。実際の開発現場での修行も積みました。それから現在に至るまで、およそ8年IT系講師としてさまざまな企業研修を担当しています。

なぜ、企業研修の講師になろうと考えたのでしょうか?

たまたま10年ほど前、新人研修の事務局で仕事をする機会がありました。そこで新人を教育することの面白さ、難しさを目のあたりにし、「自分のやりたいことはこれだ!」と、ひらめいたんです。その前に資格取得を目指す方が通うスクールでMicrosoft Office講師として就業していましたが、一般の方に資格取得のための知識やテクニックを教えるのと、新人に一人前になるためのスキルを教えるのでは、育てる目的がまったく異なります。より人材育成といった意味合いの強い新人研修に魅力を感じたので、企業研修講師への転向を選びました。

講師の仕事では、どんなところに苦労しますか?

人に教えるためには、自分が理解するために費やす3倍の労力が必要です。受講生にわかりやすく伝えるためには、自分が理解しているというレベルでは足りません。理解を超えて、きちんと身につき、実践できるというレベルになって初めて人に教えられるものです。できるかぎり専門用語やわかりにくい表現を避けなければならないため、受講生にとってすんなりと落ちる言葉や例えを見つけるのに時間がかかります。

どんなところに講師の「やりがい」を感じますか?

最初まったくスキルがなかった方が、研修を通じて徐々に一人でプログラムできるようになるのを見ると、非常に嬉しいです。ご本人だけでなく、企業の人事担当者様からもお礼を言っていただけると、モチベーションにつながりますね。ありがたいことに毎年、同じ企業様に呼んでいただけることも多いので、その際に昨年、一昨年と担当した新人の方の現場でのご活躍ぶりをお聞きすることもあります。成長されているという話を聞くと、この仕事に就いてよかったなと心から実感します。

講師に必要な資質は何だと考えますか?

大きく「忍耐と根性」そして「人の話を聴くこと」の2つではないでしょうか。まず前者については、未経験の受講生の場合、最初は何もできなくても当然です。それでも講師は相手に合わせて、相手の理解度をきちんと汲んだうえで受講生に接しなければなりません。初めは「何でわかってもらえないのだろう」と思うときもあるかもしれませんが、そこは忍耐強く、受講生の立場で考えることを徹底しましょう。

後者については、一方的なコミュニケーションで終わらせてはならないということです。講師は教える立場なので、ともすると伝えたいことだけを伝えて終わり、という状態になりかねません。しかし、受講生に理解してもらって初めて「教える」という行為が成り立つことを忘れないでください。受講生がどんなところにつまずき、疑問を持っているのか、耳を傾けることが必要です。そのうえで受講生と一緒に考えながら、正解に導くのが講師の役目だと思います。

これから講師を目指す人へメッセージをお願いします。

講師は周りに「先生」と呼ばれますが、決して偉い立場ではありません。他の人よりも、ちょっとだけ先に勉強し、習得していただけのこと。その“ちょっとだけ先に”勉強してきたからこそ伝えられることを、これから勉強する人たちに共有するといったイメージに近いのではないでしょうか。なので、上から目線で受講生に接するようでは、講師は務まらないでしょう。これは講師の仕事を始めた頃に当時の上司から言われた教えで、今でも私のベースとなる考え方です。

「人に教えることが好き」という人は、ぜひ“ちょっとだけ先に”あなたが習得してきた知識や技術を、最大限伝えられる人になってください。同時に、受講生から教わることもたくさんあります。あなた自身も成長しながら、人を育てる喜びを噛みしめていってくださいね。