「会社と個人の関係を再定義する時代」その3
「会社と個人の関係を再定義する時代」その3
前回のコラムで
メンバーシップ型からジョブ型に移行するということが
良いかどうかわからない。
じゃあ、どうすれば良いの?ということで、私が今考えているのが、
「会社と個人の関係を調整する」ということです。
白黒つける、契約関係か、家族関係かではなく、
「会社と個人の相互支援関係」ではないかと思っています。
会社は個人のキャリア、生き方を支援すること
個人は自分のキャリア・生き方を作りながら会社の利益作りに貢献していくこと
この2つを会社の基本文化としていくことです。
と書いておりました。
そういえばと思い出したのですが、今から15年くらい前に私がモスフードサービスの
人事部に所属していたとき、当時の部長に提案書を提出しました。
細かいところは覚えていませんが、内容としては全ての社員を個人事業主にして、
それぞれと年間契約にすること、そういう自立した個人との協力体制を
作る組織にすることでモスはより強くなっていくのではないか?
またそういう契約形態は退職金の積み立てとか、保険などの費用が掛からなくなるため、
利益構造を大きく変えることができるのではないか?といった内容でした。
当時の部長は読んだ後、一言
「これは早いなぁ」と仰り話が終わりました。
若く血気盛んな?私は「早いからこそ良いんだ!」と憤っていたのを覚えています。
今思い返すと、結構良いこと言っていたんじゃないの?なんて思ったりもしますが、
実際行うとすると、相当大きな変革ですし、抵抗や個人個人の人生への影響、
教育体制や採用などなど、考えが足りない点が数多くありました。
また今思うと、この提案の問題点は
「ある一定の強さを持った人しか働くことができない」といった組織形態であったと
思います。この問題点はとても大きいと思いますが、またの機会にします。
さて「会社と個人の相互支援関係」を作っていくことを考えるときに、
乗り越えていく問題があります。
社員側としては
・エスカレーターに乗っているかのようなキャリア感を持ちがち
・自分のキャリアは会社が考えてくれているはずという無意識の依存
・会社に適した社内能力を高めてきたため、社外能力が育っていない能力形成
・他社や異業種との接触が少ない場合、社会や業界の変化に疎い
という状況が存在する可能性があります。
また管理職側は
・自分自身もキャリア感を持っていないため想像ができない
・自分の部下を、良い意味では「無理を言っても良い仲間」悪い意味では「自由に使って良いリソース」と思ってしまう
・部下の面倒を全て見なければいけないという無意識の義務感
・効率化や短期的視点のため、部下の能力が偏ってしまっている
・部下の視野を広げる機会を与えていない
という状況が存在する可能性があります。
皆さんいかがでしょうか?
組織を見渡してみていただけると嬉しいです。
こういった問題、壁を取り壊していくことが社員、管理職とも必要です。
今日はここまでです。
キャリアを扱うことについて書いてきましたが、
次回は「キャリアとインタラクショナルデザイン」のインタラクショナルデザインに
ついて書いていきます。
ここまでお読みいただきありがとうございます。