研修名 | 外資系ロジスティックス企業 メンター担当者様向けメンター研修 |
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講師 |
堀口 園生 |
実施日 | 2022年7月27日(水)10:00~17:00、6時間研修 |
実施会場 | 外資系ロジスティックス企業様 会議室 |
受講者 | 令和4年度メンター担当者様 |
研修内容 | 【メンター研修概要】 この研修は今年度のメンター担当者様を対象に、メンターの意義、メンティをコーチングする上で必要な基礎知識とスキルを講義とロールプレイイング、グループディスカッションにより、習得することを目的とした研修です。 【研修カリキュラム】 ・メンターの意義 ・メンターが必要とされる背景 ・ワークエンゲージメントへの影響 ・メンターによる教育体制のメリット ・育成を成功させる要素 ・心理的安全性の担保と実現する5つのポイント ・タイプに合わせたコミュニケーション ・メンティの成長を助ける1on1セッション(一般的な面談との違い) ・メンティの成長を助ける1on1セッション(Goodサイクルを回す) ・メンティの成長を助ける1on1セッション(2つの指導法) ・メンティの成長を助ける1on1セッション(コーチングとは) ・メンティの成長を助ける1on1セッション(2つの会話展開:問題解決展開) ・メンティの成長を助ける1on1セッション(2つの会話展開:解決構築展開) ・メンティの成長を助ける1on1セッション(問題解決と解決構築の選択) ・メンティの成長を助ける1on1セッション(セッションのテーマ設定) ・セッションを有意義に進めるための基本スキル(傾聴と7か条) ・セッションを有意義に進めるための基本スキル(フィードバックとSBIフィードバック法) ・セッションを有意義に進めるための基本スキル(承認) ・セッションを有意義に進めるための基本スキル(質問) ・OSKARセッション |
講師からのコメント
(1)全体所感
●メンター制度の意義
年齢・経験さにばらつきはありましたが、メンター制度の意義を前向きに捉え、真摯に育成に携わっている様子がうかがい知れました。ワークエンゲージメントへの影響は今年度の研修から取り入れましたが、離職防止の観点からも重要な考え方であるという理解が全体的にできています。
ただし、組織としてのメンター制度の目的などが明確に浸透しているわけではなく、疑問や不安を口にする方もいらっしゃいました。(経験値が高いメンバーこそ、その傾向がありました。)特に、メンター活動が属人的になってしまうのではないか、何が正解なのかが悩ましいとの発言もあったため、メンティとの関わり方に対し、 組織として支援や評価をする体制を整えていくことは課題だと感じます。
●メンティ特性に合わせたアプローチ/成長を助ける1on1セッション
今年度はエネカラー診断を取り入れましたが、感覚的には捉えているものの、個別の性格特性を把握することに慣れていない様子も見られ、創意工夫の仕方を考えることはやや難易度が高かった様子です。同様に、1on1のテーマ抽出は具体的なアイディアがやや出にくい傾向がありました。メンティとの関係性や成長課題に合わせてテーマ候補を決めておくという考え方は現場実践で必要になるため、メンター会議での継続的なフォローがあると良いでしょう。
(2)共通課題
① 制度の理解・浸透
今回、最も大きな課題として感じたのがメンター制度の位置づけやメンターの役割を明確に理解するという点でした。各メンターは、メンティのモチベーションを維持しフォローしたいというマインドは持てています。ただ、「自分が正しく指導できるか」という不安を抱えている方も散見されました。トレーナーという位置づけではなく、主にメンタル面のフォローであれば、業務内容の詳細を理解し、業務遂行の手法を指導することはメンターの役割の範疇外になるかとも想定されます。また、上司との関係性などの悩みに対し、現場にどう連携していくかが不明確な場合、メンティ側が安心して本音を話しにくいという課題も出てくるでしょう。制度の運用方法を確立し、メンターに連携することは検討いただきたいポイントです。
そのうえで、メンター側が主にモチベーション面でのフォローをし、ワークエンゲージメントを 高めていくことが期待値であるならば、年度の後半のテーマはメンティの成長目標に対する現在地の確認、課題の明確化、今後のキャリア形成の相談などになることが想定されます。現状ではメンター側がどのようなテーマで毎月の面談を実施すればよいかがやや不明確になっていますので、メンター会議で主な面談テーマを話し合い、面談メニューをある程度揃えていくことも一手だと考えます。
② メンティの特性把握
メンティとは既に数回の面談を行っており、大まかな性格は把握できている様子です。
ただし、恐らくメンティが1年間でどのような成長をしたいと思っているのか、上司からはどのような人物に育ってほしいと期待されているのかというゴールが曖昧になっているペアも いらっしゃるように感じました。一度中間地点として、改めて残り期間でどのような成長を描くのかを面談で話し合い、ゴール設定を一緒に考えてあげる場があると、今後のメンター活動の指針となるのではないかと考えます。
ゴールを定めたうえで、メンティの性格に合わせたフォローを行うことが重要です。その際に、 エネカラーのような性格特性や、思考の癖を把握し、具体的にどのような言葉がけが彼らに訴求しやすいのかも設計しておくことがおすすめです。まずはメンティの言動を観察し、どのタイプに当てはまりそうかを把握することからスタートしてほしいと期待します。